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変身

異形コレクションの三巻目です。

タイトルの通り、テーマは「変身」です。
ただこの「変身」が何から何への変身なのか、またどのような手段の変身なのか、変身前が重要なのか、それとも変身後が重要なのかは著者次第なので、作品の内容はさまざまです。

個人的に印象に残った作品

「きれいになった」中井紀夫…口は災いの元という格言が真っ先に思い浮かびました。「ブス、チビ、ハゲ」は三大セクハラ用語だとどこかで読みましたが、本当に人の容姿に関する言葉には要注意です。
特に女性は「美」に対して異常なまでの執着を持っています。このために600人もの娘を殺した女性もいましたねぇ…。

「異なる形」斎藤 肇…ちょっと切なくなる話でした。本来、異形となるのは不幸と考えるけれど、この話はその変貌を真正面から向き合って、食い止めることが果たして正しいのかどうか考えるという珍しいものでした。
父と娘で展開されるからかもしれませんが、愛なのか…愛なんだろうなぁと漠然としたモヤッと感が(笑)

「痩身術」太田忠司…ダイエットとは一種の変身ですよね。これはありがちネタです。でも、ありがちだからこそ一本は欲しい作品かな(笑)

変身と聞くとまず思い出すのが狼男。そしてウルトラマンや仮面ライダーなどのヒーローものと魔女っ娘シリーズから始まる魔法少女もの。
ファンタジーからホラーまで幅広いテーマですが、変装や化粧だってある意味「変身」なんですよね。
さすがに化粧を落とすと別人というようなことはありませんが(笑)
一度はやってみたいものの一つかな。

侵略!

異形コレクションの第二巻です。
テーマはそのまま「侵略」ですが、一体「何の」侵略かは作家の自由です。このあたりがアンソロジーの「楽しさ」だと思いますね。すぐに連想するのは「異星人」「異世界」からの侵略ですが、実に奥が深い侵略もありました。
ホラーというよりはSFに近いかもしれませんが、広義のホラーなので問題なしでw

個人的にツボに入った作品w

「命の武器」草上 仁…定番の「異星人」の侵略ですが、わずか30ページ以内で書き切った作者に脱帽です。紹介の欄にこのアイデアならばハリウッドの某有名監督は数時間の超大作にするとありますが、本当にそう思いました。
短編のアイデアにはもったいないくらい…でも短編だから凝縮されて強烈な輝きを放つ作品になったとも言えるかな。
本当にこれは素晴らしい作品だと思います。

「彼らの匂い」大場 惑…これも定番ですが、すでに侵略されており「彼ら」を見分ける方法に着眼点を置いています。その唯一の方法を可能とする主人公が、実に普通のサラリーマンなのでアクションシーンはありません(苦笑)
この作品を読んでいるとき、「ゼイリブ」という映画を思い出しましたが、あれよりもずっとブラックなオチだと思いました。

「子供の領分」菅 浩江…何の侵略かは読んだ人間にしか分かりません。始めは定番ものかなと思ったのですが、最後まで読んで泣けてきました。涙腺弱いので、結構泣きます。
しかし、この作品では何に対して泣きたくなったのか。主人公の思いにリンクしたのかな。淡々と進められる話の中で、主人公の心の軋みが分かって鼻の奥がツンとなりました。

個人的に忘れられない作品を上げましたが、実はこのシリーズに興味を持った同僚に貸したことがあります。彼女はどれくらいまで読んだかな…ほぼ貸したと思います。
作品の好き嫌いはあるだろうと思いましたが、それ以上にとらえ方の違いというか深読みの違いというか、全く異なった感想があって面白かったですね。
「そう、きたか」と驚くこともあって、こっちの方が楽しかったかもしれません(笑)

ラヴ・フリーク 監修:井上雅彦 廣済堂文庫

記念すべき「異形コレクション」第一弾です。(15巻までは廣済堂文庫で発刊され、現在は光文社文庫で続刊中です。)

ひとつのテーマをいろいろな作家によって書いた短編集…ホラーアンソロジーです。
第一弾のテーマは「愛」です。それも「異形の愛」…タイトルそのままw
久しぶりに本を開いて作品のタイトルを見ると…やっぱり内容を覚えているものと忘れているものとはっきりしています(苦笑)

印象に残った作品
「地下のマドンナ」朝松 健…夜ごと、病院の地下に降りて愛を囁くひとりの入院患者。彼が愛したモノの正体は…。ありがちと言えばありがちなのでしょうが、しっかり纏まっていて分かりやすく、面白いと思いました。

「スマイリング・ワイン」奥田 哲也…吸血鬼モノです。吸血鬼モノなんですが…かつて、吸血鬼がこんな扱いをされた作品を読んだ事がありません(笑)あまりの意外な吸血鬼の取り扱い?に驚きました。
一生忘れないと思う珠玉の一品。

「REMISS(リミス)」久美 沙織…童話調の一人称で進む話なのですが、内容は結構エグイのに何か微笑ましい印象を受けた不思議な作品でした。可愛いとさえ思わせる何かがある(笑)

他にも竹河 聖や菊池 秀行など有名どころが名前を連ねています。 お気に入りの一編に出会う喜びをこのシリーズは教えてくれました。 以下、つづく…。
プロフィール

こぶた貯金箱

Author:こぶた貯金箱
知識は浅く広くがモットーですが、好きなモノにはのめり込むタイプです。
ほとんどが図書館で出会いますが、過去に衝動的に手に入れた本なども紹介していきます。かなりマニアックなもののありますよ。

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