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赤毛のレドメイン家

赤毛のレドメイン家 The Red Redmaynes
赤毛のレドメイン家 (創元推理文庫 111-1)赤毛のレドメイン家 (創元推理文庫 111-1)
(1970/10)
イーデン・フィルポッツ

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イギリスから始まり、イタリアのコモ湖畔に渡って繰り返された奇怪なる殺人事件。
一年以上の月日を費やして行われる、緻密な殺人計画を思い描き、実行しているのは誰か?


<STORY>
ロンドン警視庁の警部であるマーク・ブレンドンは休暇を利用して、ダートムアに訪れていた。しかし、その静かな田舎町で起きた「殺人事件」のために、その休暇は終わりを告げる。
ロバート・レドメインという男が姪の夫を殺害し、その遺体を持って姿を消したというのだ。
事件はあまりにも単純で、すぐにでもロバート・レドメインの逮捕で解決すると思われたが……。

<感想>
本作品は1922年に発表された長編本格推理小説です。
年代が非常に古いです。
作中に出る「戦争」は「第一次世界大戦」のことですよ!!(発表当時はまだ第二次世界大戦が始まってないので、当然「第一次」とは言わない:笑)
それでも、現代の推理小説愛好家の「ベストミステリー」に燦然と輝く名作なのが、この「赤毛のレドメイン家」なんですね。
何度も何度もこのタイトルを見ましたが、実際に読んだのは今回が初めてです。

古典ミステリはやはり時代背景が顕著に出るので、トリックが分からなかったり、あまり面白くなかったりすることがあるので躊躇っていました。
もうひとつは「地理」ですね。
あれこれ場所を移動して、それがトリックに利用されるとお手上げです(苦笑)

有名な古典ミステリのひとつであるクロフツの「樽」を読んだのですが、ヨーロッパ地理がよく分からないし、当時の荷物の運搬事情も知らないので、トリックの「樽の移動」が全く理解できなかった…orz
これは日本の作品でも同じで、鮎川哲也の「黒いトランク」が同じようにふたつのトランクを運搬するトリックが理解できなくてダメでした><

それでも、今回は思い切ってこの「赤毛のレドメイン家」を図書館で手に取ったのですが……これは面白かったです。
すでに推理小説のありとあらゆるパターンが出尽くしたと言ってもいい現代では、そんなに真新しい内容ではありません。だた、発表された当時は反響が凄かったと思います。

作中で起きる殺人事件は「死体なき殺人」であり、犯人は「神出鬼没な犯人」なのです。

現場には明らかに大量の血痕が残されるも、死体は発見されないままで、犯人と思われる赤毛の男は警察の捜査網を掻い潜り逃亡を続ける。
そして、次の標的の近くに突然現れ、そして再び消え失せる。

この手の展開はもう王道となって、読者は「現在、目に見えている人物の中に犯人がいる」と見当をつけることができます(笑)
その王道を切り開いたのがこの「赤毛のレドメイン家」じゃないでしょうか?

「三段構えの逆転」と評されるこの作品は、犯人の見当がついていても、「確信」にまで至ることができませんでした。
やっぱり先入観があって、探偵が犯人を名指しした時に「ああ、しまった!そうか!!」とちゃんと騙されていたことが判明しました(笑)
1922年の作品でも騙される私って…!!

特に久々に良かった~♪と思われた点は「犯人」の動機や人物像がはっきりしていたところです。
これは個人の好みなんですが、トリック先行のミステリでは、この動機や犯人の人物設定が甘かったりして、感情移入が出来なくて不完全燃焼な読後を味わうことが多いので好きじゃないんですよ。

「密室」に多い機械トリックや電車や飛行機などと利用したアリバイトリックは、読者側には分からないことが多すぎます。
それが好きな人もいますが、私はこれだけだとダメですね。
特に「殺人事件」は「人が人を殺す」のですから、その「人」がしっかり描かれていないと、事件が解決しても「だから、何?何が言いたいの?何をしたかったの?」と不満が残ってしまうんですね。

ラストの大どんでん返しを狙い過ぎるあまり、空中高く舞い上がったはいいけれど、着地できずに終わるという何とも中途半端な作品もありますが(…最近、一本当たったなぁ…このブログでも紹介していますが、「烏に単衣は似合わない」がそれです。)、この「赤毛のレドメイン家」はきちんと着地しました(苦笑)

そういえば、犯人が珍しく「悪党」でしたね(笑)
動機もちゃんとあるんですが、とてもじゃないけれど同情できないし、告白部分を読んでいると本当にイライラします。
それくらい「立派な悪党」です!

なお、作中で犯人の考えた計画は、現代では通用しません。しかし、それは仕方がないのでスルーしましょう(笑)
でも、十分に楽しめた作品でした。
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こぶた貯金箱

Author:こぶた貯金箱
知識は浅く広くがモットーですが、好きなモノにはのめり込むタイプです。
ほとんどが図書館で出会いますが、過去に衝動的に手に入れた本なども紹介していきます。かなりマニアックなもののありますよ。

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