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赤毛のレドメイン家

赤毛のレドメイン家 The Red Redmaynes
赤毛のレドメイン家 (創元推理文庫 111-1)赤毛のレドメイン家 (創元推理文庫 111-1)
(1970/10)
イーデン・フィルポッツ

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イギリスから始まり、イタリアのコモ湖畔に渡って繰り返された奇怪なる殺人事件。
一年以上の月日を費やして行われる、緻密な殺人計画を思い描き、実行しているのは誰か?


<STORY>
ロンドン警視庁の警部であるマーク・ブレンドンは休暇を利用して、ダートムアに訪れていた。しかし、その静かな田舎町で起きた「殺人事件」のために、その休暇は終わりを告げる。
ロバート・レドメインという男が姪の夫を殺害し、その遺体を持って姿を消したというのだ。
事件はあまりにも単純で、すぐにでもロバート・レドメインの逮捕で解決すると思われたが……。

<感想>
本作品は1922年に発表された長編本格推理小説です。
年代が非常に古いです。
作中に出る「戦争」は「第一次世界大戦」のことですよ!!(発表当時はまだ第二次世界大戦が始まってないので、当然「第一次」とは言わない:笑)
それでも、現代の推理小説愛好家の「ベストミステリー」に燦然と輝く名作なのが、この「赤毛のレドメイン家」なんですね。
何度も何度もこのタイトルを見ましたが、実際に読んだのは今回が初めてです。

古典ミステリはやはり時代背景が顕著に出るので、トリックが分からなかったり、あまり面白くなかったりすることがあるので躊躇っていました。
もうひとつは「地理」ですね。
あれこれ場所を移動して、それがトリックに利用されるとお手上げです(苦笑)

有名な古典ミステリのひとつであるクロフツの「樽」を読んだのですが、ヨーロッパ地理がよく分からないし、当時の荷物の運搬事情も知らないので、トリックの「樽の移動」が全く理解できなかった…orz
これは日本の作品でも同じで、鮎川哲也の「黒いトランク」が同じようにふたつのトランクを運搬するトリックが理解できなくてダメでした><

それでも、今回は思い切ってこの「赤毛のレドメイン家」を図書館で手に取ったのですが……これは面白かったです。
すでに推理小説のありとあらゆるパターンが出尽くしたと言ってもいい現代では、そんなに真新しい内容ではありません。だた、発表された当時は反響が凄かったと思います。

作中で起きる殺人事件は「死体なき殺人」であり、犯人は「神出鬼没な犯人」なのです。

現場には明らかに大量の血痕が残されるも、死体は発見されないままで、犯人と思われる赤毛の男は警察の捜査網を掻い潜り逃亡を続ける。
そして、次の標的の近くに突然現れ、そして再び消え失せる。

この手の展開はもう王道となって、読者は「現在、目に見えている人物の中に犯人がいる」と見当をつけることができます(笑)
その王道を切り開いたのがこの「赤毛のレドメイン家」じゃないでしょうか?

「三段構えの逆転」と評されるこの作品は、犯人の見当がついていても、「確信」にまで至ることができませんでした。
やっぱり先入観があって、探偵が犯人を名指しした時に「ああ、しまった!そうか!!」とちゃんと騙されていたことが判明しました(笑)
1922年の作品でも騙される私って…!!

特に久々に良かった~♪と思われた点は「犯人」の動機や人物像がはっきりしていたところです。
これは個人の好みなんですが、トリック先行のミステリでは、この動機や犯人の人物設定が甘かったりして、感情移入が出来なくて不完全燃焼な読後を味わうことが多いので好きじゃないんですよ。

「密室」に多い機械トリックや電車や飛行機などと利用したアリバイトリックは、読者側には分からないことが多すぎます。
それが好きな人もいますが、私はこれだけだとダメですね。
特に「殺人事件」は「人が人を殺す」のですから、その「人」がしっかり描かれていないと、事件が解決しても「だから、何?何が言いたいの?何をしたかったの?」と不満が残ってしまうんですね。

ラストの大どんでん返しを狙い過ぎるあまり、空中高く舞い上がったはいいけれど、着地できずに終わるという何とも中途半端な作品もありますが(…最近、一本当たったなぁ…このブログでも紹介していますが、「烏に単衣は似合わない」がそれです。)、この「赤毛のレドメイン家」はきちんと着地しました(苦笑)

そういえば、犯人が珍しく「悪党」でしたね(笑)
動機もちゃんとあるんですが、とてもじゃないけれど同情できないし、告白部分を読んでいると本当にイライラします。
それくらい「立派な悪党」です!

なお、作中で犯人の考えた計画は、現代では通用しません。しかし、それは仕方がないのでスルーしましょう(笑)
でも、十分に楽しめた作品でした。
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サンゲリア

サンゲリア ZOMBIE2

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(2001/01/19)
イアン・マカロック、ティサ・ファロー 他

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製作年:1979年/製作国:イタリア(アメリカ合作)/上映時間:91分/監督:ルチオ・フルチ

<STORY>
ニューヨーク湾内に無人と思われるヨットが漂着した。湾岸警備隊が調査のためにヨットに乗り込むが、ひとりが得体の知れない腐乱した人物に襲われ、殺される。
ヨットの持ち主であるアンは行方不明となった父親を探すために、事件を調べる新聞記者ピーターと共にカリブ海にあるマトゥール島へ向かう。
マトゥール島は地図に載っていない島のため、休暇中でクルーズを楽しむ予定だったブライアンとスーザン夫妻に同乗を頼み込んで連れて行ってもらうことにした。
しかし、そのマトゥール島では「死者が蘇る」という奇病が発生していたのである。


<感想> ネタバレあり
ゾンビ映画を検索したならば、避けては通れない作品があります。
その中で誰もが口を揃えて「ゾンビ好きなら押さえておきたい一品」と内容にツッコミを入れつつも必ずいうのがこの「サンゲリア」でした。

最初からネタバレ全開でいきます。

いや、ネタバレしないと感想が書けないです(笑)
本当にツッコミどころ満載で、そこがこの作品の見せ場なんですよね。

それにSTORYがあってないというある意味ホラー映画の王道を突っ走っているので、ネタバレしても十分に楽しめます(笑)
注:この「STORYがあってない」というのは「それを言ったらおしまいでしょ?」といったものなので悪口ではないですよ~。

そもそも邦題からしてツッコミたいですね。
「サンゲリア」って何なんでしょう?
原題の「ZOMBIE2」もジョージ・A・ロメロの「Zombie/Dawn of the dead」がその前の年に公開されていたそうなので、何とも怪しいです(笑)
ま、取り扱っているのは「ゾンビ」なので、間違ってはいないんですが。
その「ゾンビ」の種類というか性質というか…こちらのゾンビは腐乱死体があるというのが最大の特徴です。
ロメロのゾンビは損傷はあっても、腐乱してなかったんですよね。

子供のときは「死体が動く」という設定に怖がって、それ以上のことは何にも考えなかったんですが、今になってこの「死体が動く」という点にあれこれツッコミをしてしまいます(苦笑)

それを言ったらおしまいですが(笑)

でも、この「サンゲリア」はとにかく「それを言ったらおしまい」なことが多過ぎて!
本当に監督がやってみたいことをやるだけやって繋げて出来た作品だな~と感心しました(笑)

最初のヨットに乗っていたゾンビの正体って誰なんでしょ?
あれはアンのお父さんなのでしょうか?
メナード医師がゾンビになった人々を「頭を撃ち抜く」という方法で、真の安息を与えておりましたが、アンのお父さんもそうでした。
なので二度目の復活はないはずなので、その遺体をヨットに乗せて同乗したクルーが死んでああなったのか、それとも全く別なのかわかんなかったです。

有名なゾンビVSサメですが、やっぱり海の中にいるゾンビはあり得ないかと……腐乱しているので、体内のガスが邪魔をして沈まないでしょうし、地上にいるよりも海の中の動きが俊敏ってどうよ?そしてお魚の餌なるって。
誰もがツッコむシーンですよね。

ノロノロゾンビなのに、なぜか襲われる人たちは噛まれるまで棒立ちという無防備さ。
死んで生き返るのを承知していたはずなのに、クライマックスのシーンでは死体をそのままにしておくという迂闊すぎる処置…ある意味、自滅コース。

木造家屋に立て籠もっているのに、ゾンビが突入するのを待ってから火炎ビンで攻撃するというとんでもない選択に、籠城を決め込んだわりには裏口からあっさりと脱出。

そしてお約束のラスト。
でも、ニューヨークがゾンビだらけ!というラストは、冒頭にちゃんと伏線を置いてありましたね。あれはすぐに気がつきました。


しかし、まぁ…全編において一番のツッコミは腐乱死体のゾンビってやっぱりあり得ないかな(苦笑)?
そもそも、四百年前?
そんな昔の死体が腐乱死体で残っていること自体あり得ない。
しかも、腐乱しているの顔だけ(笑)
地面から自力で起き上がるとちゃんと五体揃ってる(笑)
そんなに浅い位置に埋めてたら、獣に食べられてないかな~というか、もう土と同化して形残ってないというか。
そして眼球のないゾンビがどうやって獲物の位置を確認するんだ?
本当に、人間は死ぬとまず消化器官からダメになるんで……腐乱したゾンビが人間を襲って食うのはあり得ないというか……。

それを言ったらおしまいですが(苦笑)

「ゾンビ」の設定そのものを考えると、結構厳しいんですよね。
厳密にいうと、ブードゥー教におけるゾンビは死体ではないとされています。
あくまで私が知っているだけ、聞いたことのある話ですが、あれは呪術師の強力な催眠状態にあって、自分の意思を封じられて操られているために、生気のない顔、ぎこちない動き、ケガをしても痛みを感じないなどが挙げられます。

映画作品などにおける「ゾンビ」はロメロ作品が有名で、これがベースになっているのでしょう。

私個人の見解では、
一度死んだために脳の機能が著しく低下するため、人間らしい思考が無くなる。
本能の部分だけが残り、それが「生」への執着と化し、生きている人間を食べる行為になる。
痛みを感じないので肉体の損傷を気にせず、怪力を発揮する。
脳の機能低下と同じく、死んだことによって神経や筋肉も正常に動かずぎこちない動きになる。
頭部を破壊すると動きが止まるのは、ここがやはり中枢だからで実際のところ首を切り落とされた状態で動くのは生物学的構造上あり得ない…何かの作品で首だけ復活させたら、その首は体を操って後ろから研究者を襲わせるという荒業を見た覚えがあるんですけどね。
フルチのゾンビは腐敗しているけれど、人間を食べる以上は内臓などの機能が働いてないと無意味なので、恐らくはこれも復活していてゾンビは腐敗しない。

「ゾンビ」に関してはこんな感じですかね。

なお、噛まれると感染するかのようにゾンビになるというのは分かりません(笑)
まぁ、死んだ人間が蘇るという自体がとんでもない設定なのでこれは製作者の設定で変わりますからw

でも、B級ゾンビ作品としては確かに面白いと思います。
うん、ゾンビ好きなら絶対に押さえておく作品ですね(笑)

魔人ドラキュラ

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(2012/10/24)
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製作年:1931年/製作国:アメリカ/上映時間:75分/監督:トッド・ブラウニング

<STORY>
イギリスの弁護士レンフィールドはトランシルヴァニアのドラキュラ伯爵に招かれて彼の城を訪れた。仕事は伯爵がイギリスで滞在する屋敷の賃貸契約であり、荷物を運ぶための準備だった。
ドラキュラ伯爵は彼を恐れるこの地よりも、はるかに動きやすい都会への移住を計画していたのだった。レンフィールドは伯爵の力に囚われ、下僕となってしまい、彼をロンドンへと導いてしまう。
海を渡り、ロンドンの廃墟と化した修道院に居を構えたドラキュラ伯爵は東欧より移住してきた高貴な伯爵として社交界に入り込み、新たな獲物を探してロンドンの霧深い夜を闊歩していた…。


<感想> ネタバレあり!
古いですねー(笑)
1931年の映画ですからね…当然、白黒映画です。
前回はクリストファー・リー主演の「ドラキュラ(邦題:吸血鬼ドラキュラ)」でしたが、こちらも有名でベラ・ルゴシ主演の「ドラキュラ(邦題:魔人ドラキュラ)」です。

ネタバレというか、元より「ドラキュラ」ですから!

主要人物の役割や展開はやや異なるものの、ほぼSTORYは同じです。

トランシルヴァニアやルーマニアなど「東欧」にいるドラキュラ伯爵が、イギリスの弁護士を雇ってロンドンへの移住計画を立てる。
移住の際には「棺」と「祖国の土」と一緒に運ばせて、人目の付かない場所へ運ばせる。そこから行動開始。
美しい妻(原作では3人)を実家に置き去りにして、新天地では獲物を狩りつつ、新しい妻を探す。

映画によっては微妙に相関図が異なるけれど、ミナという女性が選ばれる。その前にその友人であるルーシーが犠牲になり、吸血鬼の存在を信じない面々に現実を突き付ける形になる。
ドラキュラ伯爵への対策を講じるのはヴァン・ヘルシング教授。

いろいろな攻防があって、最後はミナをさらった伯爵を追いかけて、伯爵の心臓にトドメの一撃を食らわせて葬る。そしてぎりぎりのところでミナは救われる。


大雑把に書いたつもりですが、これが「ドラキュラ」の全てですね(苦笑)
原作ではドラキュラ城に向かうのはジョン・ハーカーなのですが、この映画ではレンフィールドになっていますね。まぁ、精神病院で奇行を繰り返す理由が分かりやすくていいですが。
しかし、城にいるドラキュラ伯爵の妻たち……出てきただけ(笑)
「吸血鬼ドラキュラ」では一人と数は減らされていましたが、少しは活躍したんですけどこちらでは本当に出てきただけで終わった。個人的にはこちらの方が美人だと思ったのですが。

あと、ドラキュラの犠牲になるルーシーの扱いが軽い!
本当は彼女が吸血鬼化してしまったので、ヘルシングたちは彼女の魂を救うために墓場に行き、彼女の心臓に杭を打ち込むのですが…無かった!
え、放置?
吸血鬼化したルーシー放置ですか?

いいんですか??女の子がふたりも噛まれてるんですよ??

「75分」という時間の壁は意外にも大きかった(苦笑)

この時間の壁は最後でも立ちはだかりました…本作は全くと言っていいほどアクションシーンありません。
まぁ確かに本作のヘルシングは初老といった感じでアクションには向いてません(笑)
そしてドラキュラ伯爵も全然アクションなかったです(笑)
どれくらい無いかというと……最後にヘルシングが棺を開けて、その蓋を壊して即席の杭を作ってから心臓に打ち込むときも抵抗すらありませんでした(←無さ過ぎにもほどがあるだろ!)

さらってきたミナは隣りの棺に入れてあると思いきや、離れた場所に立たせたまま放置してあるし…彼女は支配下にあるので人形のように立ったままでした。

あれですか?
タイムアウトで夜明けが来てしまったから、棺に入って寝ちゃったんですか(爆笑)?


その後、ヘルシングがハーカーとミナを「先に行きなさい。私はまだやることがあるから」と言ったので、まだあるかと思いきや、二人が階段を上って夜明けを迎えた外に出る瞬間で「END」マークでした。

若干、投げっぱなし感を覚えずにはいられませんが…まぁ、ルゴシがカッコ良かったのでOKです(苦笑)


さてさて、そのルゴシですが、同じドラキュラ俳優として有名なクリストファー・リーは他の作品でも知っていますが、こちらのベラ・ルゴシは名前だけ知っていた俳優になります。
異形コレクションというホラー・アンソロジーシリーズが好きなのですが、その監修をしている井上雅彦氏の作品に登場する吸血鬼はリーではなくルゴシなんですよ。
吸血鬼を扱ったショート作品なのですが、その時に出てくる「ルゴシの牙よりも長いんだ」というセリフが妙に印象に残っています。
これがこの作品を見ようと思ったきっかけなんです(笑)

Wikiで調べたところによると現在、私たちが一般的に思い浮かべる「礼服とマントを纏った」「妖しげな風格」「貴族的な二枚目」というイメージはどうもこのルゴシが演じたドラキュラ伯爵から始まったようです。
またハンガリー出身のルゴシは英語が苦手でハンガリー訛りが抜けなかったために、あまり配役には恵まれてなかったようですが、ドラキュラ伯爵は「東欧出身」なので適役となり、その後もドラキュラは「東欧訛り英語を話す」ことが好まれたようです。
一番驚いたのはルゴシは当時英文が読めなかったので代読させてセリフを丸暗記して撮影に臨んだことでしょう!!
たまにこの話は聞きますが……役者って凄いな(苦笑)

しかし、そのせいでしょうか、非常にルゴシのセリフは聞き取りやすいです。伯爵としての演技なのか落ち着いた雰囲気でゆっくり話すのと、日本人が英語を話す時と似て単語単語をしっかり発音するので本当に嬉しかった(笑)
英語初心者はおススメです!

ピラニア

ピラニア PIRANIHA
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(2011/12/21)
エリザベス・シュー、スティーブン・R・マックイーン 他

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製作年:2010年/製作国:アメリカ/上映時間:87分/監督:アレクサンドル・アジャ

<STORY>
アメリカ南西部、ビクトリア湖畔では恒例の春シーズンのお祭りで賑わっていた。
そんな中、湖底で大規模な地割れが発生し、その奥底には古代から存在する地底湖があったことが判明した。調査隊が潜水調査をしたところ、ダイバー2名が狂暴な魚の大群に襲われて死亡する。
死体に食いついていた一匹を調べたところ、その魚は200万年前に絶滅したはずの古代ピラニアであることが分かった。
直ちに祭りを中止し湖を封鎖しようと試みるが、祭りに浮かれた若者たちは保安官たちの緊急事態の報に耳を貸そうとしない。
そして、ついに大群の古代ピラニアが人々を襲い始めた!


<感想> 最初からネタバレしてます!
個人的にはものすごい懐かしい作品です(笑)
中学生の時に1978年に大ヒットした「ピラニア」をTVで見たんですね……多分(笑)
かなり記憶が曖昧なので、リメイク作品を見る前にオリジナルを見直したかったんですけど…レンタルしてなかったw
大まかな内容は覚えているので、このまま鑑賞に踏み切りました。いや、もう、内容なんてピラニアが人の警告を無視するおバカさんを襲うだけですからね(苦笑)
オリジナルは品種改良され、プールに飼育されていたピラニアを主人公たちが勝手に機械をいじくって、放流してしまうことから始まりますよね。これ、子供でも「いいのか?おい!」って思いましたよー。
今回は誰のせいでもない「大自然の驚異(笑)」が原因ですが、被害が拡大したのは浮かれまくった人間のせいでしたね。

感想ブログでは非常に好評だったこの作品。
うん、何も考えずに人の不幸をあざ笑うには最高の作品です(爆笑!)

オリジナル「ピラニア」の記憶で非常に残っているのは、とにかく大群で獲物に食いつくシーンで、お色気系の記憶がほとんどないですね。
でもブログを見る限りオリジナルもあったようですね。

お色気浮かれまくるおバカ食い殺されていく人々を極端に過激にしたのがこのリメイク版。

色気とおバカは他の映画でもよくありますが、一撃で死ねない「食い殺される」一番嫌なところをがっつり描写してますねー。
頭と足を担がれて、陸に上がって助かったーと思ったら、重みで腹部から千切れて「ぎゃー!」なシーンが何とも言えませんでした。これは印象強かった。
せっかく引き上げられても、かなり食われてしまっていては、失血死やショック死なんかもあるでしょう。
またピラニアに殺されるだけはなく、助かりたい一心でボートで「邪魔だ!どけ!」と助けを求める人を轢き殺して陸に向かう外道もいました。結局は転覆して餌食になるんだけどー。こいつ、ヘタに陸に逃げないでその場にいても十分助かったんですけどね(苦笑)

そんな中で大真面目に展開するのが女性保安官ジュリーと海洋学者ノヴァクによる、子供たちの救出作戦。
まぁ、母親の言いつけを破った子供ら3人が悪いんですが、よもやこんな大事件に巻き込まれる可能性はほぼ考えませんからね。
お色気まっしぐらの大人たちは助からず、子供が狙われないための「おやつ(おとりの餌)要員」というところがいいですねー(笑)

座礁したボートをガスを充満させ、襲ってくるピラニアからはロープを結んで高速で引っ張ってもらって脱出、ついでに爆発でピラニアを一網打尽という展開はオリジナルにもありました。オリジナルの方は「毒ガス」だったかなぁ…環境保全の面からは大問題な解決方法だと子供心にも思いました(笑)
こちらでは「ダイナマイト漁は違法だろ?」でしたが。

「ピラニア」は「殺人魚フライングキラー」というさらに妙な進化を遂げて「Z級」に近い続編がありましたが、このリメイク版でも続編に続くように「このピラニアはまだ赤ん坊だ!」という衝撃の事実が発覚して終わりました。

でも、「ピラニア リターンズ」は評判良くないですね。悪い方にコンパクトに出来上がったと感想が…でも「殺人魚フライングキラー」も大学時代に見てますし、こちらも見ようと思います(笑)

吸血鬼ドラキュラ

吸血鬼ドラキュラ Dracula(英)/ HORROR OF DRACULA(米)
吸血鬼ドラキュラ [DVD]吸血鬼ドラキュラ [DVD]
(2003/02/07)
クリストファー・リー、ピーター・カッシング 他

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製作年:1958年/製作国:イギリス/上映時間:82分/監督:テレンス・フィッシャー

<STORY>
1885年、ジョナサン・ハーカーはトランシルヴァニアのドラキュラ城へ新しい司書として迎えられた。近隣の村人は誰一人として近づかないその城には、ドラキュラ伯爵が住んでいた。
実はジョナサンはこのドラキュラ伯爵が人の生き血を啜る不死者であることを知っており、彼を倒すためにやってきたのである。
しかし、助けて欲しいと懇願してきた女吸血鬼に不意を突かれて噛みつかれてしまう。
ジョナサンは人の心を保っているうちに全てを終わらせようと、彼らの棺を探しだし、女吸血鬼の心臓に杭を打ち込むが、わずかな差でドラキュラ伯爵に気が付かれてしまった。

時間が経ち、ジョナサンから手紙を受け取ったヴァン・ヘルシングがドラキュラ城に訪れた。しかし、すでにドラキュラ伯爵は棺ごと姿をくらまし、ヘルシングは吸血鬼と化したジョナサンを発見する。
心を鬼にしてジョナサンの魂を安らぎに導いた後、ヘルシングは彼の婚約者ルーシーに会いに行くが、すでにルーシーはドラキュラ伯爵の毒牙にかかっていたのである……。


<感想> ネタバレあり
ネタバレありとは言っても……何せ世界的に有名なブラム・ストーカー原作「吸血鬼ドラキュラ」の映画なんですよね(苦笑)

最期は原作と同じです。

原作は子供向けのものと、完全訳のものと読んでいます。あとコッポラ監督による映画もかなり前ですが鑑賞済みですね。
この映画は原作とはかなり異なっています。
原作では主人公はジョナサン・ハーカーなのですが、序盤で早々に吸血鬼の犠牲になってしまいます。なので、この映画では主人公はヴァン・ヘルシングなんですね。
また、最初はドラキュラ伯爵の正体を知らずに物語が進むのですが、映画ではすでに吸血鬼だと分かって退治しに行くという…荒っぽい展開ですが短くまとめるには良かったのかな。

あとドラキュラ城にいる女吸血鬼も実は三人いて、ジョナサンを苦しめるのですが、それも省かれています。その他にも登場人物はかなり絞られています。
しかし、そのためかなりの長編で読んでいて少しつらかった原作の中盤がなくなり、中だるみぜずに淡々と話が進んで行くのでこれは十分面白かったです(笑)

それにしても、現在のホラージャンルでは「ゾンビ」と並んで外せない「吸血鬼」。

「魔人ドラキュラ」のベラ・ルゴシをまだ見ていないので、こちらも見たいと思いますが、ホラー界ではルゴシと並んでクリストファー・リーはドラキュラ俳優として確立したそうですね。
知ってはいたけれど、今回が初見です。

ここから先はネタバレあります。

それにしても、ドラキュラ伯爵…人間臭いです(笑)

超人的なイメージが強い吸血鬼なんですが、この作品では何となく力が強そう…程度です(苦笑)
空は飛べないし、馬車に乗って移動するし、棺がないのでさらったミナをスコップで庭に穴を掘って、その中に放り込んで土を被せる」という力仕事するんですよ!
伯爵本人が!!
結局、追ってきたヘルシングとミナの夫アーサーに追いつかれて城の中に逃げるんですが、普通に走って逃げます…図書室の床下に逃げ込もうと扉を開けるのも遅いし…伯爵、全体として行動が遅い(苦笑)

極め付けはジョナサンもヘルシングも一撃で倒せないんですよ…一応は力は上のようなので突き飛ばしたり、床に押し倒すなど出来ますが、殺せません。
首なんて普通に絞めるだけで…なんか、弱々しくて可愛いです(笑)
オールバックに決めた髪は乱れるわ、目は充血するわ、必死さがひしひしと伝わってきます。

某ジャンプマンガ作品に登場する一瞬で移動できる「瞬歩」くらい使えてもいいような気がするんですがね…あ、「トリニティ・ブラッド」という小説に登場する吸血鬼(作中ではこの表現は侮辱にあたる。「長命種(メトセラ)」という種族になる)は「加速(ヘイスト)」という高速移動できました。

とにかく、ヘルシングとの肉弾戦は普通のケンカっぽい感じで、すでに朝日が昇っていたためにヘルシングがカーテンに飛びついて引きちぎる!
入り込んだ日光が足を照らし、ドラキュラ伯爵は足を失います。
もうこれで移動できない伯爵に対し、ヘルシングは燭台で即席十字架を作って、さらに追い詰めます。どうも目の前に十字架があると体が硬直して反撃出来ないようです。
じわりじわりと日の当たる場所へ押しやって、ついに伯爵の全身が太陽光の下へ!
あっという間に伯爵の体は灰になり、ミナの身に起きていた吸血鬼化現象は消え、めでたしめでたしw

うーん、楽しかった!
コッポラ監督の「ドラキュラ」は切ないラストでしたが、こちらはすっきりしたラストでしたね。


そもそも有名な「吸血鬼」ですが、思った以上に「制約」が多いんですよね、確か。

その一、その家の住人に招かれなければその家には入ることが出来ない→自分から窓や扉を開けることが出来ない。

その二、水を渡ることが出来ない→川とか海などは棺に入って、誰かに運んでもらわなければいけない。

その三、自分専用の棺と生まれた土地の土がなければ休めない→移動は必ずセットでないとだめなので、棺が壊されたりすると致命的です。

その四、十字架を見ると恐怖を覚え、体が硬直する。また触れると火傷する→十字架をかざしたら反撃できないのできついですね。

その五、にんにくおよびその花の香りが嫌い→窓際やベッド側に置いておけば番犬並みの威力を発揮します。

その六、日光を浴びると灰になります→日没までは棺から動けず、夜明け前には戻らないと大変です。一応は光に直接当たらなければ家屋内を動けるようです。

あまりにも制約が多いので、最近の吸血鬼は日光以外は大丈夫になりつつありますよね(笑)
中にはその日光も問題ないなんて吸血鬼もお目見えするくらいだしね…とりあえず「牙で噛んで血を吸えば吸血鬼なんだよ」になってる。
そのほか、コウモリに変身するとかオオカミを従えるといった能力があるようですが、映画では出来ないことになってます。

本来はノスフェラトゥ(不死者)が原型だったかな?
ブラム・ストーカーが書いた「ドラキュラ」は15世紀のルーマニア、トランシルバニア地方出身のワラキア公ヴラド3世(ヴラド・ツェペシュ)の「ドラキュラ公」というニックネームを用いたというのが有名ですが、実際のヴラド3世は吸血行為などをしなかったですよ。ただ、敵の捕虜を串刺しにして通りに並べたという残酷な面があったようですが。だから「串刺し公」とも呼ばれたそうですね。
今では「吸血鬼=ドラキュラ」になっていますが、実際はルーマニア語で「竜(悪魔)の息子」という意味だそうです。
本作を筆頭に全9シリーズまであるそうですが…全部見るかどうかは迷ってます(笑)

甲賀忍法帖

甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1) (講談社文庫)甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1) (講談社文庫)
(1998/12/11)
山田 風太郎

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非情の密命が下された…

<STORY>
江戸時代。
大御所・徳川家康の命を受け、三代将軍を兄・竹千代か弟・国千代にするかを賭け、甲賀・伊賀双方の忍者たちが己の秘術を駆使して殺し合うことが定められた。
しかし、それは長年の確執を取り払うべく甲賀の弦之介と伊賀の朧の祝言を挙げる矢先のことであった。
何も知らぬ若い二人をあざ笑うかのように死闘の幕は静かに上がり、避けられぬ最期の時まで運命の歯車は止められない…。

<感想>
出会いは何と「歌」からです。
ビジュアルバンドの陰陽座が「甲賀忍法帖」というタイトルで歌っているのを聞いたのがきっかけです。
アニメ「甲賀忍法帖 バジリスク」の主題歌だったんですね。もちろん本作が原作ですが、アニメはまだ見たことはありませんので、これから見たいと思います。

一応、アマゾンで検索して画像をアップしましたが、私が読んだ本は友人から借りたものです。原作者の山田風太郎氏のファンである彼女からいろいろ聞きました。
女忍者のことを表す「くノ一」という言葉は、山田氏の造語だそうですよ。メインの忍法などによる一騎打ち形式もこれから始まったって……すげぇな、おい!

ちょっとドキドキしながら読みました(苦笑)

時代物なので難しい文章かと思ったら、意外や意外。
京極夏彦氏より読みやすいよ(笑)
しかも、何というか…展開が早い!!

甲賀・伊賀での殺し合いを決めて、双方の頭領に各陣営10名ずつの名前を記載した巻物を渡して、それぞれがそれを持たせて里に使いを走らせるんだけど、いきなり甲賀頭領が伊賀側の巻物を密かに隠し持っていて、伊賀頭領に攻撃を仕掛けるんですよ!
不意打ちもいいところ。でも忍者同士の戦いなんてこんなものと言って…でも伊賀頭領もこのままでは終わらなかった!
最期の力で相討ちに持ち込んだよ!

いきなり双方の頭領が死んでしまった。しかもこれで第一章ですよ。
ちなみに戦闘開始から双方死ぬまでに費やしたページ数なんて段組み2ページって…ジャンプの格闘マンガのだらだらした展開が嘘のようです(笑)

また面白いのは読む側は甲賀・伊賀共に殺し合う理由、互いの代表である10名の名前を知っているけれど、いろいろ紆余曲折があって、何と甲賀側が中盤までそれを知らないでいるという事態になるんですよ。それでも、伊賀陣営の攻撃を受けつつ、返り討ちにするなど頑張る、頑張る。
しかも、甲賀の弦之助と伊賀の朧が恋仲で祝言間近という設定がまた物語を単純なモノにしないのです。
何せ双方が殺し合っている最中、弦之助は朧のいる伊賀の里に行っているんですよ!敵陣のど真ん中だよ!!
しかも、何が起きているか二人とも知らないんだよ??(←伊賀側も朧だけには知らせなかった)
犠牲者がどんどん出る中で、ようやく二人が事態を知った時の悲哀はいかほどのものか。
そして読者は死闘の結果だけでなく、この二人の愛の結末がどうなるのかも気になるんですよ。

果てしなく凄まじい設定で、各キャラの持つ個性と秘術が素晴らしいのに、作者は容赦なく進めていくので死ぬわ死ぬわ。
総ページ段組みで241ページで終わらせるなんて、普通の作家ならできません。
もったいない(苦笑)

しかも一度出した忍法はニ度と使わないって、どれだけ自分に課しているんですか!?

忍法帖シリーズなのに、そんな厳しい掟があるなんて普通思いませんよ。
そんなわけで、この他の作品も読みたくなりました。

ウィッカーマン

ウィッカーマン The Wicker Man

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エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー 他

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製作年:1973年/製作国:イギリス/上映時間:100分/監督:ロビン・ハーディー

そこに<神>はいますか?

<STORY>
スコットランド・ハイランド地方の警察に勤めるハウイー巡査は、一通の匿名手紙を受け取りサマーアイル島に向かった。手紙の内容は島でローワンという一人の少女が行方不明となり、その捜索を依頼するものだった。
島はサマーアイル卿が領主となり、古くから伝わる宗教を信仰していた。
ハウイー巡査は非常に厳格なキリスト教徒であり、島のあちこちで見られるその原始的な宗教儀式や風習に驚きと嫌悪を隠せない。
また、島民はローワンという少女を「知らない」あるいは「死んだ」などと不明瞭な応答を繰り返す。
やがて、ハウイー巡査は島を支配している宗教が「生贄」の儀式をするものだと知り愕然とする…。


<感想> ネタバレあり
本作は2006年にニコラス・ケイジ主演でリメイクされたもののオリジナルになります。お気に入りの感想ブログにて知りましたが、ネタバレしていても見たかった一作です。
リメイク版よりも淡々とした不気味さがいいと評されていたので、まずはオリジナルから鑑賞しました。

タイトルの「ウィッカーマン」とはDVDパッケージにもなっている柳の枝で編み込まれた巨大な人型の檻の名称でドルイド教が生贄を閉じ込めて燃やしたものだそうです。

Wikiで調べるとこの作品はずいぶんと紆余曲折した経緯があるようで、実際は本土での捜査シーンもあったようですが、そのシーンはカットされて、その後も完全なフィルム(120分)は紛失してしまい、99分版が最終的に落ち着いた作品のようです。
本土に戻らなくても、話は繋がっているからいいかな?

飛行艇で単身、サマーアイル島に捜査に来たハウイー巡査は、純粋で厳格なキリスト教徒でした。
しかし、島では神父は立ち去り、教会は荒れ放題。島民が信仰しているのは、原始的な自然を崇拝する宗教なので、生殖と豊穣は切っても切り離せない教義のため、結婚するまで処女・童貞を尊ぶキリスト教とは相容れません。自然崇拝の場合、男性器をシンボルとするのは自然な流れですが、それを子供が学校で学んでいるのを目の当たりににしたら、そのショックは大きいでしょう。
ハウイー巡査、マジで怒ります(苦笑)

でもね、「キリスト教を信仰しなければいけない」っていう法律はもうないよね?

スコットランドって確かにイギリス領だけど、イギリスの国教はキリスト教(カトリック教)だけど、そこに住む人は絶対にキリスト教でなければいけないってわけじゃないよね?

およそ宗教に関しては恐ろしく自由気ままな日本人である私にとって、非常に分かりにくいハウイー巡査の怒りや嫌悪感です。
まぁ、フリーセックスまでいっちゃうと「遠慮します」と言いたいですが、島の教会が荒れ果ててしまったのは、神父もいなければ信者もいないから当然なんですよね。
それを怒っても仕方のないことじゃないのかな~と(笑)

学校で宗教を教えるとはちょっと分かりません。
日本では知識・文化として触る程度なので、授業の一環としてはありませんね。ただ、体育のときに剣道や柔道になると「神前の礼」などがありますので、ここで「宗教的儀式」が出てきます。
キリスト教の生徒がこれを拒否するため、体育の単位が取れないという事態が起きて問題になったことありましたね。ちなみに私の同級生の中に、小学校行事である「七夕祭り」を欠席した子がいます。理由は後で知ったんですけどね。

行方不明になった少女は島の「五月祭」(豊穣を祈る祭り)の主役で、その年は不作であったことが分かります。不作になった場合は、神への生贄は農作物や家畜だけでなく、人間を捧げるというのが…まぁ、自然な流れなのか。
日本でも「人柱」ってありますからねぇ。
思い起こすと、不浄や穢れを払うために「追儺の鬼(ついなのおに)」という、罪人などにすべてを背負ってもらい、崖から突き落とすなんていう儀式もあったなぁ。古代ギリシアでもこんな儀式あったそうで。

「生贄」の発想は古今東西、人間の行う儀式としてごく普通にあるので、要は人間の考えることって変わらないって証拠ですね。

ここからネタバレ!!!



















「生贄」の文字が出た時点で、ハウイー巡査の運命はすぐに予想できるものですが、何と言っても時代が20世紀であること、そしてハウイー巡査は罪人でも旅人でもなく、警察官なんですよね。
それなのに、むしろそれこそが「生贄として最適な人物」として誘き寄せるって……。
領主であるサマーアイル卿(クリストファー・リー様w若いぞ!)は祖父の時代にこの島を買い取って開発したと言いますが、この人だって若いときは本土でお勉強したはず…。
それなのに率先して島の宗教儀式を推し進めるのが、何とも不可解。

農作物の不作(作中ではそれよりひどい凶作だとか)は土地と気候が原因なのに、神の怒りだと信じて人間を生贄にするという発想が怖い。
誰一人それを疑わず、たった一人の異教徒(ここではキリスト教徒であるハウイー巡査)を島民全員ではめて、生贄にするんですよ。
追い詰められたハウイー巡査が「これで豊作にならなかったら、次はお前(サマーアイル卿)が生贄になるんだぞ!」と言ったのが印象的でした。

本当にそうなったら、島民はどうするんだろう?
信じて疑わない信仰。
最大の供物として「人間」を捧げてもダメだったら?
それを指導した責任者がその責任を取るために次の犠牲になるのが自然な流れなんですよね…。

島民はともかく、島の歴史を知るサマーアイル卿は不作の原因を知っている。
かつて農作物の育たない貧しい島だったのを買い取った彼の祖父は「耐寒性」の品種改良をして、農作物を島に根付かせた。それを島民は「神の恵み」として受け取って、キリスト教ではなく、古い信仰を選んだそうなので。
島民を味方につける目的で、土着のその信仰を利用したため、今さら引くに引けなくなったのが、サマーアイル卿の真相かなぁ。

パッケージにあるあの「ウィッカーマン」に鶏など家畜と一緒に閉じ込められたハウイー巡査は、生きながら焼かれるという最悪の結末を迎えるのでありました…。
サマーアイル卿の「殉教者として認めよう」「聖者と並ぶ」なんていう皮肉があるように、キリスト教徒は火あぶりにあった聖者多いですよね。
死に直面したハウイー巡査が祈りの言葉を必死で唱える姿と、燃え盛るウィッカーマンを見ながら歌を歌う島民の対比がいいです。

沈む夕日と崩れ落ちるウィッカーマン。

漂う静かな狂気と「信仰」という名に罪悪感を包み隠したところが後味を悪くします。
プロフィール

こぶた貯金箱

Author:こぶた貯金箱
知識は浅く広くがモットーですが、好きなモノにはのめり込むタイプです。
ほとんどが図書館で出会いますが、過去に衝動的に手に入れた本なども紹介していきます。かなりマニアックなもののありますよ。

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