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世界記憶コンクール

世界記憶コンクール (創元推理文庫)世界記憶コンクール (創元推理文庫)
(2012/05/18)
三木 笙子

商品詳細を見る


心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、二人の青年をはじめ明治の世に生きる人々の姿を人情味豊かに描いた、<帝都探偵絵図>シリーズ。

図書館で見つけて借りたのですが、シリーズ「第二弾」なんですね。
第一弾の「人魚は空に還る」は貸出中だったのですが…借りてしまいました(笑)
普通は借りないでしょうけど、何となくいいかな~と。

しかし、これが大当たり。

短編5作なのですが、別に第一弾を読んでいなくても全く問題ないのです。どちらから読んでもOKな作品に感謝感謝です。

内容としては素直に面白いと思いました。
時代は明治時代なので時代背景にいまひとつピンとこないところもありますが、人物が中心になる内容なのでそこまで追求しなくてもいいかな~。
それぞれの人物が非常に個性的で退屈しません。

このシリーズの中心的人物が心優しき雑誌記者である里見高広と超絶美形絵師の有村礼なのですが、この二人の関係がホームズ&ワトソンとなります。
ただし、ワトソン(礼)の方がホームズ(高広)より偉いという関係(笑)
ホームズに推理を押し迫るワトソンという設定がに笑える。

殺人事件などおどろおどろしい事件ではないけれど、ちょっと不可思議な謎を解き明かすミステリです。一部、殺人事件に近い事件もあるけれど…。

人と人が絡み合う、それゆえに喜びもあれば争いもあるし、欲も出れば優しさも生まれる…そんな日常の中に、ぽっと飛び出た謎。そんなところでしょうか。

収録作品
「世界記憶コンクール」
「氷のような女」
「黄金の日々」
「生人形の涙」
「月と竹の物語」

個人的には「生人形の涙」が好きです。ちょっと泣けた。
どの作品も世の中きれいごとでは済まない。人間の欲望や身勝手さといった、ちょっとつらいところもありますが、それを覆すきれいな心と言うモノが必ずあります。
他の作品もも読みたいと思いました。

さて、第一弾は返却されたかしら(笑)?
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死体処理法

死体処理法 THE BUTCHERS
(1991年)
ブライアン・レーン/立石光子訳
二見書房刊
1680円

「完全な殺人」とはどういうものだろうか?

法の裁きを免れるだけでは「完全」とは言わない。
「それ」が「殺人」だと分かった時点で「完全」ではなくなるのだ。つまり殺人の動かぬ証拠―死体―を完全に始末する必要がある。
しかし、死体を人知れず処分するのは、なまやさしいことではない。死体はかさばり、腐敗し、腐臭を放つ。
そこで犯人たちは知恵をしぼり、遺体を硫酸で溶かしたり、燃やしたり、切断したり、人肉を食べる、売る、豚の餌にするという過激な手段を取った。
そんな彼らの前に立ちふさがったのが警察と法医学者である。

残されたわずかな手がかりをもとに死因や死亡時間を割り出し、歯の治療の記録、頭蓋骨と生前の写真との重ね合わせなどの技術を駆使して、被害者の身元をつきとめようとした。

この本は「死体処理」のいろいろな方法を紹介しているが、結果的には失敗した犯行の記録でもある。



「何でこんな本を読んだの?」と問われること間違いなし第二弾です(苦笑)
アマゾンで検索しましたがHITしませんでした。
11年も前に購入した本ですね……ええ、借りたのではありません。私の本です(笑)
本棚の奥にあったせいか、かなり装丁も汚れてしまっているので、完全に処分本ですな。ブックオフに引き取ってもらうのも気が引ける内容ですしね。
姪っ子に見つからないように巧妙に隠していた本の一冊ですが、私が事件を起こしたら真っ先に押収される本かもしれません。

現在ではいないと思われますが、昔は「死体」が見つからなければ「殺人罪」を問えないと思っていた犯人がいたそうです。
実際はそんなことはなく、死体そのものがなくても裁判に持ち込めるし、有罪にもなります。

しかし、本当に跡形もなく死体を処分することは非常に大変です。
硫酸で溶かしたとされる事件でも、わずかながら「溶け残り」が回収されているんですね。
中には豚の餌にして見つからなかった例もありますが、これは時間が経ってしまっていたので、憶測であり、本当に豚の餌にしたのかは分からずじまいでした。

それにしても、本当に犯人たちは一生懸命考えたんでしょう。
中には悪魔のいたずらか、神の裁きか、と言わんばかりの偶然性で死体が発見されてしまい、捕まってしまった犯人もいます。
あるいは考えるのは容易いけれど、実行するのは難しかったのか、あっさりとばれた犯人もいます。

科学捜査は万能ではありません。
実際に冤罪事件はいまだに絶えないし、そもそも証拠をねつ造されてはどうにもならない。
それでも、犯人が白を切ろうとしてもできない決定打を放つこともあります。

著書では「身元不明の生首」を槍先に刺して「この人に心当たりありませんか?」というとんでもない方法を取る時代(1726年)の事件記録がありました。これは本当に驚きました(笑)
しかし、ある意味、ちゃんと身元確認して事件の詳細を調査していたともいえます。

骨格などから性別や年齢を割り出し、損傷具合を見て死因を探る。

かなり昔からこういった方法は取られていたんですね…って、別に法医学の道に進む夢はなかったのについつい興味から買ってしまった本でした。

ただ、自分の蔵書を見て思うことは、こういった類の本を読むからといって、「心に闇を抱え込んでいて現実と空想の世界の区別がつかなくなったことはないですよー」ということですか。
何でもかんでも映画や本のせいにしないでほしいな。


月の物語

月の物語 (広済堂文庫―異形コレクション)月の物語 (広済堂文庫―異形コレクション)
(1998/12)
井上 雅彦

商品詳細を見る


ある時は蒼く、またある時は紅く、
常に姿を変えながら、潮の満ち引きから、
妖精の飛翔まで、
ゆるぎない影響を与えてきた魅惑の衛星。



異形コレクションシリーズ第8弾。
ホラーにとって月はなくてはならないモチーフです。
夜の支配者。
怪物たちの憩いの光。
どんなに明るくても熱はなく、照らし出しても昼とは表情の違う世界を見せてくれる。

異形を愛するいろいろな作家たちが、様々な「月」を描き、なかなか秀逸な作品が揃っています。

個人的に心に残った作品
「月見れば―」 草上 仁…「丸いもの」を見ることを極端に恐れる彼。それを不思議に思う彼女。
その理由はベタな展開ではなく、意外に満ちたものでした。いわゆる「恐怖症」の類だと勘違いしてはいけません。そして、それを克服させようと画策することは…ある意味、迷惑行為になるのでやめましょう(苦笑)

「Killing MOON」ヒロモト森一…マンガ作品です。「月」とくれば王道の「人狼」なのですが、この作品に登場するのは少女の人狼です。
設定が少し変わっていて面白かったです。

「月の上の小さな魔女」青山智樹…近未来、人類が月に移住している話です。当然、月にうさぎもいなければ、かぐや姫もいない。伝説は失われ、現実だけが横たわっている月なのですが、ほんの少しだけまだ残っていたファンタジー…オチの一文に苦笑しました。

「シズカの海」北野勇作…人類が初めて月面に着陸した日。これは後々にいろいろと検証されたり、映画になったりする一大イベントでした。
この作品でもそれが扱われているのですが、直接名称は出てきませんが、非常に有名なある作品のオマージュになっていたところがびっくりしました。


ホラーの宝庫ではあっても、やはり「月」は美しいと個人的には思います。
異形コレクションの常連である菊池秀行氏が「エイリアンシリーズ」でこの月をとんでもないものに設定してくれた作品が記憶に残ってますね。
常に「女性」に例えられる月ですが、日本古来の神道で月の神の名は「月読」で男神なんですよね。太陽神「天照」の弟という立場です。
西洋と逆転してるのが面白いな~と思いました。

ビブリア古書堂の事件手帖ー栞子さんと奇妙な客人たち

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
(2011/03/25)
三上 延

商品詳細を見る


これは古書と秘密の物語。


鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」に持ち込まれるいわくつきの古書にまつわる謎と秘密を、古書堂の主である栞子がまるで見てきたかのように解き明かしていく…。

何で見たのかは忘れましたが、記憶の隅にこの本の存在はありました。
例のごとく図書館で物色していた時に、特設コーナーにあったのを見て借りて読んでみました。
こういう謎解きもあっていいかな~と思います。

謎解きと言うと最初に思い浮かべるのが「殺人事件」で、次は「宝探し」や「暗号」などになってしまうのですが、最初から3つの事件まではそんなことはない…古書が持っていた「秘密」を解き明かすだけです。

うん、最初の3つね(笑)

最後の事件だけは命の危険が伴いました。
でも最初の3つもこの事件にちゃんと繋がっているというか、伏線がしっかり貼られているので面白かったです。
冒頭から古書堂の主である女性が入院しているという件で、何で入院しているの?と思っていたのですが、それが明らかになるのが3つ目の事件が終わった時でした。

そして4つ目の事件に繋がっていくのですが、なぜそんな事件が起きたのか。
普通の人間、私みたいに本は読むだけで「古書」に興味のない人間にとっては分かりにくいです。それを前の3つの事件で予備知識というか、「古書」というものと「収集家」というものを説明して、一冊の本が人の人生を左右することもあるということを知った上で入るので、なかなか良かった。

設定が「本を読みたいけれど読めない」主人公と「人と接するのが恐ろしく苦手だけど本の話になると夢中になる」女性というのがいいかな。
シリーズ化しているけれど、続編が図書館で見当たりません……貸出中なのか未入荷なのか。
頼んでみようかな。

かつて「日本探偵小説全集」を入れて貰えたので、これなら簡単にいれてくれそう。
ちなみにこの全集…今は閉架書庫にあります(苦笑)
面白かったのに…人気ないのか??

告白

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
(2010/04/08)
湊 かなえ

商品詳細を見る


「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

何と言ってもこのセリフからすべてが始まりますね。

ジャンルを「ホラー」にしたのは正直に「怖い」と思ったからです。
作品は「映画化」された時にその存在を知りました。そして内容も「映画のCM」で知り、興味は持っていたのですがまだ見ていません。

図書館に行った時に、ちょうど「返却コーナー」にあったのを見つけて借りてみました。

第一章から第六章まですべて「一人称」で書かれているとは思っていませんでした。これをよく映画化できたな~と本気で思います。
実際に原作を未読で、映画を見た同僚は「分かりにくかった」と言ってました。
原作を知っていれば分かりやすいのかな?

まぁ、映画は見るか迷っていますが、まずはこの作品の感想ですね。


作者、すげぇ!!


いや、マジで(苦笑)
「衝撃的なラスト」って言われても、意外と肩すかしも食らうのがこの煽り文句。
どちらかというと、私は「ラスト」よりも「全部の章」、一人一人の語り手たちの「告白」でひとつの事件の様々な形に衝撃を覚えました。

本当に振り回されました(苦笑)

私は単純なので、信じやすいし、感情移入もしやすいんです。だから、一人称なんて一番振り回される文章形態なんですよ。

文庫版では映画監督のインタビューが掲載されていて、そこで「嘘をついている」という言葉が本当に身に染みました。
三人称であれば、語り手は「作者」なので「嘘」はないです。
しかし、一人称は「作中の登場人物」なので……自分に都合の悪いことは隠したり、誤魔化したり、あるいは自己を良く見せたりするのは当然のこと。
当人は嘘をつくつもりではなかったのかもしれませんが、後に別の人物から語られることで、読み手には「嘘」として認識されることがいくつもありました。

騙されやすいなぁ、私(苦笑)

以下、ネタバレ含みますので注意してください。















冒頭に「怖い」と書きました。
何が怖かったかというと、まず四歳の少女を殺した犯人ふたりが「罪悪感」を全く覚えていなかったことに恐怖を感じました。
母親である教師・森口が警察にもマスコミにももらさずに取った復讐方法で、このふたりに制裁を加えるのは「その他の生徒」であるというのも。
教師だからこそ「子供の残酷性」というものをよく理解しているな~と。

ただ、本当に犯人ふたりは良心の呵責というものを全く感じてなかったのはすごい。
自滅に陥った犯人Bこと下村は、四歳の女の子を殺したことで復讐を受けることになってしまったのは理解しているけれど、子供に対しての申し訳なさはなかったんですよね。
あくまでも、学校でいじめに遭う自分、エイズになって死ぬ自分を想定して苦しんでいただけなのだから。

犯人Aこと渡辺も最初から最後まで後悔したことはなかったし、徹頭徹尾自分中心で終わってました。

このふたりの関する印象をうまくかき回してくれたのが、まず同級生である北原。
彼女の一人称が…渡辺の印象を少し良くしてしまった。これが後でしっかり否定されるのだけど、私は彼女の「嘘」が一番怖いと思った。

「中二病」

この言葉を知ったのはオンラインゲームをやった時でした。
芸人が作った言葉だそうですが、この作品ではこの「中二病」が満載でした(苦笑)

結局、北原も渡辺もこれだったんだなぁ…。

きっと私も中学生の時はこんな感じだったのだろう。だけど、もう大人になってその時のことは忘れてしまいました。
そんなものなんですよね(笑)


最後の「衝撃的なラスト」ですが、あれは本当に森口よくやった、と思いました。
ひとつは「何をどうやっても更生することのない犯人」を最後の最後でちゃんと復讐できましたね…って。
「この方法以外ない」という手段とタイミング。
あくまでも「自分と母親」以外のものを拒絶するというか、無視できる渡辺にとってこれ以上の復讐方法は本当にない。

自分を正当化して、多くの人間を巻き添えにして自殺して、母親に自分の存在を刻み付ける(…確実に昔のことは忘れていただろうな渡辺の母親)ことに失敗しただけでなく、また肝心の母親が先に死んでしまったので、今後もそれが出来ないという現実。
また、自分のしたことを知った母親が自分のことをどう思ったのかを永久に知ることも出来ない…渡辺が欲しがっていることだと知っているから絶対に森口は教えないと思う(苦笑)

さらに言うならば森口自身も本当に自分しか考えてないですしね…渡辺といい勝負じゃないかな。
巻き込まれた生徒たちはいい迷惑だし、最後は何人巻き添え食って死んだかな…。
渡辺は遺書と言う形でそれなりの自分の告白をしたけれど、森口はしてませんからね。
「自分が悲劇の主人公」と渡辺をバカにしていたけれど、ある意味「復讐」は独り善がりの悲劇の主人公がやることなので、その辺はどうだったんだろうか?

救いようのない、解決のないばっさりとした終わり方ではあるけれど、まぁ確実に森口の復讐だけは完遂出来たと思います。

ま、これも騙されているかもしれませんが(笑)

渡辺の母親じゃないですが、森口だって案外この何年か後には再婚して第二の人生を歩んでいたとなってもおかしくない。


全編を通して感じたのは「これが現実なんだよな」と。
要は「激しく良心の呵責に悩む」とか「憎しみを乗り越えて許す」とか「罪を犯した我が子を受け入れる」とか「自分の愛する者を失ったことで初めて自分のしたことを理解する」とかそんなキレイごとはあり得ない…自分を含めて、やっぱり人は夢見ちゃうんだなって、そう思いました。

読後感が悪いけど、読んで良かった。

ほんファンブログから正式に引越ししました。

ようやくほんファンブログの経営サーバーからブログ引越しについてのメールがきましたので、一括ダウンロードで記事を引越ししました。

ちゃんとできるか不安でしたが、何とかできたかな。

ちまちまと移していこうかと思ったのですが、意外と時間が取れず、元サイトが今月末には閉鎖なのでどうしようか迷っていたのですが、FC2に対応していたので一括で引越しとなりました。

重複している記事は削除しましたので、挨拶文がちょっとおかしいかな?
これは記念でそのまま残して置きます(笑)
プロフィール

こぶた貯金箱

Author:こぶた貯金箱
知識は浅く広くがモットーですが、好きなモノにはのめり込むタイプです。
ほとんどが図書館で出会いますが、過去に衝動的に手に入れた本なども紹介していきます。かなりマニアックなもののありますよ。

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